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ドキュメンタリー映画(日本)

映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」認知症の87歳母と95歳の父を見つめたドキュメンタリー 視聴した感想、動画レンタル配信

テレビ「Mr.サンデー」で放送され、大きな反響を呼んだドキュメンタリーが映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」として2018年に公開されました。

2019年7月より動画レンタルがスタートしたので視聴してみました。

認知症になった87歳の母と、その母を支える95歳の父を娘であり映画監督である「私」がとらえたドキュメンタリー映画です。

ストーリー
広島県呉市で生まれ育ったテレビディレクターの「私」(監督・信友直子)は18歳で上京し、東京暮らしをしている。
自分の夢を追い、40年近く映像の仕事に没頭する私を両親は遠くから静かに見守ってきた。
しかし、実家に帰った私は母の様子がおかしいことに気付く。

認知症になった母

私が45歳で乳がんを患ったとき、明るさとユーモアで支えてくれた母。

そんな母が認知症になった。

95歳の父が87歳の認知症の母の面倒を見る生活。

昔気質の父は、これまで
活字ばかり読んでいる本の虫だった。

男子に厨房に入らず

その言葉を実践するかのように家事は一切母に任せきりだった。

その父が家事ができなくなった母に替わって、初めて台所に入り、なれない手つきで家事をしている。

私は仕事を辞めてこの家に帰ることも考え始めた。

しかし、

「わしが元気で動ける間は帰らんでもええ。」

という父。

しかし、父はすでに95歳だ。

それでも、

「あんたもあんたの道をすすんだほうがええ」

というのが父の娘に対する思い。

自分が文学者の道に進めなかった無念さ。

私がやりたい仕事をやれているのは父の誇りなのだ。

限界

しかし、やはり限界は訪れる。

呉市の介護担当者に来てもらうことになった。

担当者が来ることを嫌がっていた母だが、

来てみると、和やかに会話をし、うまくやっていけるように思えた。

しかし、帰った後、娘と会話をする中、

そんな人は知らないと言う。

介護担当者がきていたことすら忘れてしまっているのだ。

年取ると迷惑をかけてしまう

「長生きすると迷惑かけるんじゃね」

「どうすりゃいんじゃね」

そんな言葉をしきりに発する母。

自分が家族に面倒をかけてる、

そのことを自分でも感じ取っているのだ。

しかし、症状は進んでいく。

ある日のこと。

「包丁持ってきてくれ!死にたい死にたい邪魔になるから死にたい」

と大きな声で泣き叫ぶ母。

穏やかだった父もついに

「バカたれ!死にたいんだったら死ね!」

と大声を上げてしまう。

そんな日もあれば、

「長生きしたね。」

と穏やかに寄り添う日もある。

父と母は連れ添って60年になる。

視聴して
高齢の父と認知症の母、そして娘であり撮影者の自分との会話を映しだすドキュメンタリー。
重いテーマだがことさらに、重さや辛さを強調したりすることなく淡々と現実を映し出す。

未曽有の高齢化社会に突入する中、だれもが不安を抱きながらも目をそらしてしまう問題。
そんな認知症の日々をありのままカメラがとらえ続ける。

認知症になっても変わらず続く日常。しかし今まで自分の世話をしてくれた母がまともに洗濯などの簡単な家事さえ、できなくなってくる。

慣れない家事をする父を見て、帰ってくるという娘に、自身が95歳になっているにもかかわらず「自分が動けるうちはええ」という父の言葉。

撮影者である監督は涙を流しながら撮影し続けたという。

認知症になって周りに迷惑をかけて本人も苦しいが周りも苦しい。

「死にたい死にたい」と泣き叫ぶ母に

普段は穏やかな父が、怒り叫ぶシーンがある。

生きてほしい、だけど、どうしてもやりきれなく
行き場のない気持ち、感情が爆発してしまうことだってある。

一方で、家族や大切な人に対する

「ただ生きていて欲しい」

という思いは認知症だからとか、迷惑をかけられているからとかは関係ない思いだということもこのドキュメンタリーを見て感じた。

認知症という重く、場合によっては目をそむけたくテーマであるにもかかわらず見終わったあとこの映画に感じる愛情は、お二人の人間的魅力と、監督である娘さんの両親への深い愛情があるからだと感じた。

老いていくと言うこと、認知症、普段目をそらしてしまいがちな問題を真正面からとらえ、さまざまなことを考えさせられるドキュメンタリーだった。

映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」

2016年にフジテレビMr.サンデーで2週に渡って特集されると、大反響を呼び、再放送以来が殺到。その特集に追加取材と、再編集を加えて公開されたのが映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」です。

配信は終了しました。

※この記事の情報は2019年7月24日時点でのものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。

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