2018年、NHKノーナレで放送された「“悪魔の医師”か“赤ひげ”か」は、放送後より大きな反響を呼び、その後NHK ETV特集で放送時間を大幅に拡大し放送されました。
NHKドキュメンタリー「ノーナレ “悪魔の医師”か“赤ひげ”か」より(2018年放送)
また、2019年5月にはNHKでの放送内容が書籍化され新聞にもとりあげられるなど再び、話題となっています。
地元で“赤ひげ”と呼ばれる医師がなぜ“悪魔の医師”と批判されることになったのか?
番組では、当時関わった人物のインタビューを交えながら振り返ります。
放送内容
四国の西端にある港町宇和島 徳洲会病院
万波誠先生は島では誰もが知る有名な名医だ。
しかし、今から12年前、その医師はある騒動の渦中にいた。
病気腎移植
病気で摘出した腎臓を移植した病気腎移植がメディアで大きく取り上げられた。
万波医師は、腎臓がんなどで摘出した腎臓を患者に移植していた。
しかし、当時、病気を理由に摘出した腎臓を移植することは病気腎移植は移植の標準的なルールに定められていない医療だった。
がんなど病変の切除し、修復後の腎臓を移植する。
病変を取り除いているものの、移植した患者にがんが再発しないという保証はない。
“悪魔の医師”と呼ばれるまで
メディアは連日病気腎移植への批判を繰り返した。
「猟奇的犯行だ」「人体実験だ」
など報道は過激化していった。
・当時万波医師を取材した週刊誌編集者
・万波医師を激しく批判した日本移植学会元幹部
・万波医師が務める病院の当時の院長
・病理移植を希望する患者
さまざまな立場の人物の証言を追った。
あれから12年。
2017年10月厚生労働省は、病気腎移植について先進医療に条件付きで承認できるという見解をまとめた。
騒動から12年、77歳となった万波医師は宇和島徳洲会病院で今も現役で働いている。
現在国のルールで許されている親族間の手術などを行っている。
今、騒動を振り返ってみて、と聞かれた万波医師。
もう当時のことは覚えていないと言いながらも
困っている患者がいて、「今、どうしかしたい」その気持ちだけでやった。
と語る。当時のルールからはずれた行為であることは認識していた。
目の前の患者を救うこと
それは医師ならだれもが持つ思いだ。
そのためにどんな手段を使うのか?そこが問題となる。
ドナーの数が圧倒的に足りないという現実はいまだ解消されていない。
透析がしんどく、病気腎でも移植してほしいと言う患者がいることも事実だ。
番組の最後に、万波医師を激しく批判した大島氏に今の心境を尋ねた。
すると大島氏は若き日の経験を語り始めた。
患者を救うための医療をした医師が悪魔の医師と言われるまでの舞台裏。
加熱するメディアの功罪、日本の移植医療の現実、さまざまな問題をつきつけるドキュメンタリーでした。
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※NHKノーナレ「“悪魔の医師”か“赤ひげ”か」は2020年4月9日まで配信予定です。
※この記事の配信情報は2019年9月15日に更新しました。