NHK BS1スペシャル「離郷、そして…～中国 史上最大の移住政策～」
第34回ATP賞テレビグランプリドキュメンタリー部門優秀賞受賞
いま、中国でかつてない規模の移住政策が進められている。
へき地の貧困層の農民を村ごと都市近郊へ移住させるという集団移住政策だ。
農村の貧困人口を一気に解消しようという計画
番組では、中国西北部の寧夏回族自治区、半子溝村の集団移住を１年にわたって記録
前編では移住前の期待と不安、後半では移住先での厳しい現実をリポートする。
初回放送
2018年3月25日（日） 午後8時00分(110分)
再放送
2019年4月23日(火) 午前9時～
BS1スペシャルは反響が大きかったものを不定期で再放送しています。
「離郷、そして ～中国 史上最大の移住政策～」の再放送は、2019年は1月、最新は2019年4月23日(火)に放送されました。
現時点では次回再放送日時は未定です。
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前編
集団移住に選ばれたのは人口おそよ1300人の半子溝村。
村には水道もない。
しかし、移住には費用が必要だった。「分担金」
分担金すら払えない特別貧困家庭もある。
移住をチャンスととらえる人、この村を離れたくない人
移住したくでも分担金を用意できないもの。
村民にも温度差があった。
さらに、農民たちは不安を隠せない。
移住後に農地は割り当てられるのか？職はあるのか？
農地が割り当てられなければ出稼ぎするしかない。
しかし高齢の村人にとっていまさら出稼ぎするのは厳しい。
分担金がなければ移住さえできない。
日々の食料を売って分担金を作った家族もいた。
移住までひと月。分担金を払い終わった世帯は半分にも満たなかった。
村の家は取り壊すことが国から命じられた。
村民が再び戻ることを防ぐためだ。
とうとうその日がやってきた。結局残った世帯は12世帯のみ。
新しい村まで6時間の道のり
この道の先にはどのような未来が待ち受けているのか？
後編 新天地へ
ふるさとを離れ新天地へを向かうバス。期待と不安が交錯する。
目的地までは6時間。
新しい村の名前は「潤豊村」立派な名前だ。
317戸が整然と並ぶ新興住宅地。
都市戸籍を得たことで医療や教育などさまざまな恩恵を受けることができる。
しかし、徐々に明らかになる厳しい現実。
人々はそれぞれ自分の土地を持つのではなく、土地を貸す権利を与えられただけだった。
村民たちにはあたらしい職業を紹介されたが条件が一致せず、安定した職を得られたのはごくわずかだ。
厳しい現実に直面する人々。
しかし、職業が見つからない理由は農民にもあった。
自分の名前すら書けない人々。
長年農村で暮らし、農村業しか知らない農民たち。
移住して3か月経っても仕事が見つからない。
かさむ光熱費。住民は追い詰められていった。
現状を国に相談した村長。
しかし帰ってきた答えは、
「村民たちは自ら稼ぐことが必要だ。技術を磨き、都市生活に適応するために考え方を根本的に変えろ」
というものだった。
いまだに仕事をが見つからない人。しかし移住してきた村民の一人は言う。
「この厳しさを知っていても私は移住を選んだと思います。」
子どもたちの未来のため、都会での未来に夢を託す姿がそこにはあった。
視聴した感想
非常におどろきの日本ではあり得ない現実を目の当たりにしたドキュメンタリーでした。
農民にとって命綱ともいえる農地が割り当てられるのかすら教えずに
強引に移住を勧めるあまりにも強引なやり方に驚きを隠せません。
借金してまで移住したのは期待があったからなのに、「移住したら余計に貧乏になった。」なんてあまりにも場当たり的な政策が無責任すぎます。
かといってこのまま村に居続けることが幸せだったのか？（そうかもしれません。）
豊かになりたいのだったら、技術を自ら身に付け必要とされる人材になる。
たしかに正論とは思いますが、農民にはその機会すらこれまで与えられなかったのでしょう。
でもこれくらいしなければ現実は動かないのかも・・・と少々複雑な気持ちにもなりました。
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※この記事の情報は2019年4月23日時点でのものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。