これまで数々の名著を取り上げてきたNHK Eテレの「100分de名著」
一度見たら、ほかの回も見たくなってしまうこと請け合いの楽しく名著を学べる番組です。
ここではこれまで放送された中でも反響の大きかった回をご紹介します。
今回取り上げるのは2017年8月に放送され反響の大きかった「アドラー “人生の意味の心理学”」 の回です。
「嫌われる勇気」が大ベストセラーに
2013年に出版されたアドラー哲学を対話形式でまとめた「嫌われる勇気」(岸見一郎著)は大ベストセラーになりました。
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私も読みましたが、わかりやすく実践的な哲学は本を読みながら何ページも“しるし”をつけてしまう部分があり、個人的にも響く内容がたくさんある本でした。
アドラーの心理学がここまで多くの人を惹きつけたのはこれまでの常識を覆す考え方だったからではないかと思います。
人づきあいが苦手、会社に行きたくない、そんな人に対して、アドラーは優しい言葉でなぐさめるのではなく厳しいアドバイスを送ります。その厳しくも実践的な考えが本物だと受け入れられたのでしょう。
しかし、理解したと思えてもいざ行動してみると難しいのもアドラーの哲学。
わかったようでわからないアドラー哲学を100分de名著では「嫌われる勇気」の著者・岸見一郎さんが解説者として登場し、いま一度わかりやすく解説してくれます。
岸見さんは「アドラーを知れば人生が変わる」と言います。
司会の伊集院光さんも「劇薬だけど知っておいたほうがいい」というアドラー哲学を全4回にわたり学びます。
アドラーとは
約1世紀前に活躍したフロイト、ユングと並ぶ心理学の三大巨頭の一人
「人はどう生きるべきか?」「幸福になるには?」
心理学の常識を超えた教えは第1次大戦後のヨーロッパやアメリカで大きな反響を巻き起こした。
日本でも大ブームになったのはご存知の通り。
人生を変えるヒントを学びます。
第1回「人生を変える“逆転の発想”」
意味づけが人生を変える
1、「意味づけ」を変えれば未来は変えられる
2、「原因」ではなく「目的」に目を向けよ
われわれは同じ世界に生きていると思っているが、実はそれぞれの人が自分が「意味づけ」した世界に生きている。
同じことを経験してもどう受け止めるか解釈するかは人によって違う。
意味づけによって世界はまったく変わって来る。
トラウマの否定
今の自分が生きづらいのは、親のせい過去のせいにして納得する人もいる。
しかし、われわれが過去の経験にどのような意味を与えるかによって自分の生を決定している。
第2回「自分を苦しめているものの正体」
幼いころ、体が弱かったアドラーは、兄に劣等感を持っていた。
しかし、劣等感は人生に立ち向かう力になる、とその力に着目した。
自分を苦しめているものの正体は「劣等感」
劣等感は私たちを苦しめもするが、飛躍の原動力にもなる。
優越性と劣等感
人間は優越性を追求するものである
劣等感を持つことには目的がある→そういう自分をあえて選んでいる
人とかかわって傷つくことを怖れている
優越コンプレックス
人の価値をおとしめることで自分を優位に立たせようとすること=価値低減傾向
アドラーは私たちの行動は目的ありきだと言います。原因があって人づきあいができなくなったのではなく、人づきあいがしたくないから原因のせいにしているというのです。
このように考えると私たちは現実から逃げることができなくなります。
第3回「対人関係を転換する」
他者とかかわりながら豊かに生きるには?
第3回はアドラーの考える「他人との付き合い方」について学びます。
人間の悩みは「すべて対人関係である」
引きこもりの人は他人に注目されたくないのではなくて、皆に注目されたいがそれがかなわないから引きこもっている。
私たちは「承認欲求」=他者から認められたいという欲求をもっている。
しかし、他者の期待を満たすために生きるのは他人の人生を生きることになってしまう。
「人間は自分自身の人生を描く画家である」by Adler
そのためには「課題の分離」が必要=他人の課題を切り捨てよ
「課題の分離」は対人関係の出発点である。
第4回「“自分”と“他者”を勇気づける」(最終回)
アドラー心理学の鍵=「共同体感覚」は対人関係のゴールである
人は他者と結びついて生きている。
自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも幸福なのは「共同体感覚」である。
共同体感覚とは他者を仲間とみなし、そこに自分の居場所があると感じられること。
そして、仲間たちのために貢献しようと思えること
生きる喜びや幸福は他者との関係からしか得ることはできない
自己への執着を他者への関心へ切り替えていく必要がある。
人生の意味は全体への貢献である
「共同体感覚に必要なこと」
1、自己受容
ありのままの自分を受け入れる。私は子らから先もずっと私だから、私を受け入れるしかない
2、他者貢献
どんな時に自分を好きでいられるのか?=何らかの形で貢献していると思える時
3、他者信頼
他者に貢献するには他者を信頼できなければならない
勇気づけと勇気くじき
教育論の基本は「勇気づけ」
×「えらかったね」(ほめる)=上から下へ向かってくだす評価
○「ありがとう」=親子であっても対等であるべき
貢献感を持てる→自分に価値があると思える
あらゆる対人関係は対等な横の関係である。
「嫌われる勇気」
自分を嫌う人がいるということは自由に生きている証しである。
「人生の意味はあなたが自分自身に与えるものだ」by Adler
まとめ
対人関係や子育て、そして究極的には人間が幸福になるには?というところまで明確に答えを示してくれるのがアドラー哲学。そこから私たちは生きるヒントを学ぶことができそうです。
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特選パックで視聴できる主な「100分de名著」作品
マルクス「資本論」
ニーチェ「ツァラトゥストラ」
孔子「論語」
福沢諭吉「学問のすゝめ」
ブッダ「真理のことば」
マキャベリ「君主論」
アラン「幸福論」
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
兼好法師「徒然草」
新渡戸稲造「武士道」
フランツ・カフカ「変身」
パスカル「パンセ」
紫式部「源氏物語」
フランクル「夜と霧」
アインシュタイン「相対性理論」
般若心経
夏目漱石「こころ」
老子
荘子
ドストエフスキー
菜根譚
ブッダ 最期のことば
アドラー 人生の意味の心理学
司馬遼太郎スペシャル
歎異抄
坂口安吾「堕落論」
カント
三木清「人生論ノート」
陳寿「三国志」
ラッセル「幸福論」
法華経
河合隼雄スペシャル
太宰治「走れメロス」
他
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※このページの情報は2019年3月6日時点でのものとなります。