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100分de名著 村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」再放送・見逃し配信 どこで見れる?

2025年4月の100分de名著は村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」です。

4月の名著 村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』

読み解くのは、世界的にも高く評価され、愛読者も多い『ねじまき鳥クロニクル』

1994年、95年に刊行された全3巻の長編小説です。

日常に潜む闇、自らの闇、社会の闇。

村上春樹を「世界文学」のステージへと押し上げた傑作。

難解とも言われる物語世界に分け入り、謎に満ちた物語を読み解きます。

放送・再放送

4月の名著『ねじまき鳥クロニクル』
NHK Eテレ 4月7日(月)スタート(全4回)
放送:月曜 午後10:25~10:50
再放送:金曜 午後3:05~3:30

第1回「日常のすぐ隣にある闇」
2025年4月7日(月)午後10:25~
【再放送】 2025年4月11日(金) 午後3:05~

第2回「大切な存在の喪失」
2025年4月14日(月)午後10:25~
【再放送】4月18日(金)午後3:05~3:30

見逃し配信

各回放送より1週間はNHKプラスで見逃し配信があります。

第2回: 4/21(月) 午後10:49まで
第1回:4/14(月)午後10:49まで

NHKプラスで終了した回はNHKオンデマンドやU-NEXTで視聴できます。

単品レンタル(1話110円)または「NHKまるごと見放題パック※」(月額990円)で視聴することができます。

その際、以下よりU-NEXT初回無料トライアル登録でNHKオンデマンドの視聴に使える1000円分のポイントをプレゼント中!そのポイントを使って視聴することができます。(まるごと見放題パック or 単品レンタルにポイントが使えます。)

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見どころ

「ねじまき鳥クロニクル」は1994年、95年刊行の村上春樹初期から中期への転換点にもなった作品です。

主人公は、法律事務所を退職し、失業中の「僕」こと岡田亨(トオル)。

物語はある日の昼、ロッシーニの『泥棒かささぎ』の序曲を口笛で吹きながら、台所でスパゲティーをゆでているときに見知らぬ女から電話がかかってきたところから始まります。

失業中の僕は、結婚して6年の妻クミコから失踪した飼い猫のノボルを探すようにと頼まれ、裏路地を探し始める。

だが、猫は一向に見つからず、僕の前には次々と奇妙な人物が現れる。

そして、次々と起こる不可解な出来事。やがて物語は現実と虚構が入り混じり、予想もできない方向へ。

時空の超越、凄惨な戦争の記憶、社会に潜む闇、自らの闇を見つめる中、謎が謎を呼ぶ複雑な展開を見せていく。

難解とも言われる「ねじまき鳥クロニクル」をロシア・東欧文学研究者、文芸評論家の沼野充義さんが解説。

この記事では放送内容のまとめと、各回の再放送、見逃したときの動画配信について紹介していきます。

基本情報

『ねじまき鳥クロニクル』
・1991年~95年、アメリカ滞在中に執筆した8作目の長編小説
・もともとは短編(「ねじまき鳥と火曜日の女たち」)を大長編へと発展
・構成
第1部「泥棒かささぎ編(1994年4月刊行)
第2部「予言する鳥編」(1994年4月刊行)
第3部「鳥刺し男編」(1995年8月刊行)
・1部~3部のタイトルはすべてクラシックの名曲にちなんだもの
・物語の舞台は1984年の東京・世田谷

主な登場人物
岡田亨(主人公・30歳)
クミコ(亨の妻/結婚して6年 編集者)
綿谷昇(クミコの兄)
ワタヤ・ノボル(猫)

第1回「日常のすぐ隣にある闇」

2025年4月7日(月)午後10:25~
【再放送】 2025年4月11日(金) 午後3:05~

日本らしさとファンタスティックなフレーバーが絶妙だという村上春樹は世界でもっとも読まれている日本の作家

「ねじまき鳥クロニクル」は人の心を損なう「暴力」や「悪」という主題を想像力豊かに描き、海外にも村上春樹の名を知らしめた。

物語はワタヤノボルという夫婦の飼い猫が失踪、失業中の主人公が猫を探すことから物語が展開していく。

謎の女からの電話。夫婦の小さな不和。消えた猫。

飼い猫を探し始めたトオルの日常は少しずつ狂っていく。

トオルは猫を探す中でさまざまな人物と出会っていく。まずはじめにトオルに声をかけてきたのは、高校を休学中の16歳の少女 笠原メイ。死のイメージに取り憑かれている高校生だ。

名前を聞かれたトオルはなにかあだ名をと問われ「ねじまき鳥」と答える。

トオルとクミコが時折声を聞く姿の見えないクミコが名付けた鳥の名前。

時々声を交わすようになったメイはトオルを空き家の横手にある井戸に案内する。

それは、直径1m半ほどの「枯れた井戸」。昼間なのにそこだけ深い暗闇だった。

村上作品を通じて「井戸」が重要なテーマの1つだが、「ねじまき鳥クロニクル」は井戸のモチーフが1番大きく発展していく小説となっている。

井戸の暗闇がつなぐのは“現代の東京”と“戦争中のノモンハン”。

さらにトオルは不思議な力をもつ加納マルタとクレタ、占い師の本田さんの形見を届けに来た間宮中尉と出会う。

間宮中尉はノモンハンの井戸での過酷な体験と神秘的な体験を語った。

「ねじまき鳥クロニクル」をアメリカで執筆した村上春樹は、プリンストン大学でノモンハン事件を含めていろんな歴史的な資料を読んでいるうちに、過去の恐ろしい戦争というのは現代と無関係ではない、それをもっと探っていきたいという気持ちになったと語っている。

村上春樹の作風の変化を見ると以下のキーワードが浮かび上がる。

・日常的なもの
・ホラー・オカルト・ファンタジー
・歴史的なもの

「ねじまき鳥クロニクル」は初めてにして、相当深い形で「歴史の闇」を探り、その点で決定的な転換点になっている。

村上春樹はすべてのものを取り込んだ「総合小説」を目指しており、この3つが積み重なっている。

第2回「大切な存在の喪失」

2025年4月14日(月)午後10:25~
【再放送】 2025年4月18日(金) 午後3:05~

トオルは。近隣の空き家にある井戸の底での不思議な出来事など様々な事件を通じて、いかに自分がクミコのことを何一つ知らないかを思い知らされていく。そんな中、クミコから届いた手紙には「もう探さないでほしい」との文面が…。

第3回「根源的な「悪」と対峙する」

2025年4月21日(月)午後10:25~
【再放送】 2025年4月25日(金) 午後3:05~

井戸に潜ることを始めたトオルは、クミコ捜索を阻んでいるのが彼女の兄・綿谷ノボルであることに気づく。やがて綿谷から連絡が入り、自分の活動を邪魔しないことと引き換えに、パソコン通信でクミコと会話することを許される。だが彼女の心には深い闇が存在することが明らかに。

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