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100分de名著

100分de名著 大江健三郎「燃えあがる緑の木」の再放送と動画の見逃し配信、放送内容まとめ

独特な文体や難解な思想から読み通すのが非常に困難と言われる大江健三郎の小説

2019年9月の「100分de名著」は大江健三郎の後期代表作「燃えあがる緑の木」を読み解きます。

ここでは放送内容のまとめと、各回の再放送、見逃したときの動画配信について紹介していきます。

「燃えあがる緑の木」

「燃えあがる緑の木」は大江自身によって「最後の小説」と位置付けられた集大成で、一人の「救い主」の誕生と彼を中心とした「教会」創生の物語です。

舞台は大江の故郷でもある「四国の谷の森」

オーバーと呼ばれるお祖母により、かつてこの村のリーダーだった「ギー兄さん」の後継者に指名されたのが主人公の隆。

魂を受け継ぎ「救い主」とみなされた「新しいギー兄さん」は悩みながらも、その使命を引き継ぐことになる。それはこの村に潜在する「神話の力」を自らが体現することでもあった。

「魂の救済」は、現代において可能なのか?その思想を読み解いていく。

大江健三郎 『燃えあがる緑の木』 2019年9月 (NHK100分de名著)

登場人物


小説の主人公でオーバーにより「新たなギー兄さん」に指名される

オーバー
不思議な力を持つ村の長老、共同体の結節点

サッチャン(語り手)
両性具有の存在

K伯父さん
大江健三郎のKであると言われる。
小説では大江の思考や問題意識を登場人物全員が背負っている

ギー兄さん
この作品の前に四国の森に共同体を築こうとするが、その途中で絶命した。

第1回 「四国の森」と神話の力


放送 NHK Eテレ

2019年9月2日(月)午後10時25分~10時50分

【再放送】Eテレ
2019年9月4日(水)午前5時30分~5時55分
2019年9月4日(水)午後0時00分~0時25分

第一回は、一人の救い主の誕生について、作品の執筆背景にも触れながら、小説に込められた「神話の力」や「辺境の意味」を読み解いていく。

主人公・隆は、様々な挫折を経たのち「魂のことをしたい」と願い、谷へ向かう。

そこで不思議な力を持つ長老「オーバー」に出会い特別な教育を受ける。やがてこの村のリーダーで今は亡き「ギー兄さん」の後継者に指名された。

オーバーが亡くなり葬儀の日、鷹が飛んできて隆に力を与えた。
さらに、隆は心臓病の子供元気にし、それを見た村人は隆を救い主と呼んだ。
村人から救い主と信じられた隆。

そんな隆はカジという少年に出会う。
少年が語ったのは、死への不安。

「本当に生きたしるし」「一瞬よりはいくらか長く続く間」
人生の長さが問題ではない、強い喜びや感動に出会うことが大切なんだ。
自分にとってこれが大切なことなんだということがあればいい。
ギー兄さんは少年へ語った。

しかし、少年はその後、亡くなってしまう。

この少年の死がギー兄さんを変えていく。

カジの死の翌日、村人たちは隆を「テン窪」という場所へ隆を連れていく。すると、村人たちは隆を糾弾しだした。
そんなギー兄さんを慰めたのは両性具有のサッチャンだった。サッチャンは教会の設立をギー兄さんに提案する。

両性具有のサッチャンは女性を自ら選択したのだ。

第2回「世界文学の水脈とつながる」

放送 NHK Eテレ
2019年9月9日(月)午後10時25分~10時50分

【再放送】
2019年9月11日(水)午前5時30分~5時55分
2019年9月11日(水)午後0時00分~0時25分

四国の森に「燃えあがる緑の木」教会がついに設立した。
そこに集った人々の力で世界文学や宗教書の引用からなる「新たな福音書」や新しい形の「祈り」が生み出されていく。

まとめ
大江健三郎の思想がたっぷりとつまったまさに集大成といえる『燃えあがる緑の木』
難解で不思議な世界観を持つ大江健三郎の小説は、いきなり読み始めると挫折する可能性が高いですが、「100分de名著」では解説者の方や伊集院光さんとともに、わかりやすく解説し、その世界に誘ってくれるのでおすすめです!

見逃し配信

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※この記事の情報は2019年9月30日時点でのものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。

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