10月28日(月)のNHKあさイチは発達障害の人が感じる困りごとの対処法を考える「発達障害 困りごとの“トリセツ”」が放送されました。
さまざまな生きづらさを抱えることの多い発達障害の人たち。
困りごとに対してあらかじめ対処法を知っておくことが生きづらさを軽減するヒントになるとして「困りごとのトリセツ」の作成が紹介されました。
番組では当事者の方々の「困りごとのトリセツ」を大公開!
得意なこと、苦手なことの差が大きい発達障害の人も、あらかじめ対処法を知っておけばこれまでよりも楽にすごせる場面を増やすことができると提案。
また発達障害の方でなくても人は多かれ少なかれ、苦手なことがあるものです。
生きづらさを感じる誰もが参考になるヒントが満載です。
片付けが苦手
ADHDの鈴木さん(仮名)
片付けをしようと思っても、注意が散漫になり、どうしても片づけることができないと言います。
専門家とのカウンセリングで形を認識する力が弱く、色で認知しているということがわかりました。
そこで「困りごとのトリセツ」を作成
困りごと→片付けができない
トリセツ→置き場所を色で目立たせる
ゴミ箱に黄色の目立つ色でテープを貼ったり、大切なものにはピンクのテープを貼ることで目立たせ、置き場所を認識しやすいように改善しました。
不安が強い
自閉スペクトラム症の山田さん
こだわり、不安が強いという山田さん。
人の多い場所、人の視線が苦手で、不安が強く頭がパニックになりやすいと言います。
困りごと→パニックになりやすい
トリセツ→文字に書いて見える化する
自分の気持ち、感じた事、これからやるべきこと、などなんでも文字に書いて見える化することで気持ちが落ち付くようになりました。
気持ちの切り替えができない
自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害をもつ13歳の初華さん
ゲームなどに夢中になってしまい、時間になっても気持ちの切り替えができないという困りごとがありました。
困りごと→気持ちの切り替えができない
トリセツ→イラストやボードなどを使い、次にやることをイメージさせる
困りごと→よく物をなくす
トリセツ→大事なものはひとまとめにする
お母さんと一緒にトリセツづくりに取り組んでいます。
トリセツの考え方
同じ困りごとでもトリセツは一人ひとり違います。
番組に登場した専門家の方はトリセツをつくろうと自分を見つめる行為こそが大切だと言います。
トリセツをつくるにはさまざまな当事者の体験談が参考になります。
本やネットなどを参考に、自分に通じる人を見つけ、その人の対処法を参考にするのもトリセツづくりに役立ちます。
番組でもさまざまな困りごとをかかえる当事者の人が登場し、そのトリセツづくりの過程を具体的に紹介しています。
対処法 3つの考え方
・自分のやり方を変える
・周りを変える(例:人に声がけなどを頼む)
・ツールを使う(例:なくしものを知らせるツール・探し物発券機など)
まずは困りごとに対して自分でアプローチを変える。そして周りの人に声がけを頼むなど周りを変える。
また番組では困りごとに役立つおすすめツールも紹介されました。
番組では商品名の紹介はなかったのでどのメーカーのものかまではわからなかったのですが、たとえば以下のようなツールが紹介されていました。
1、残り時間が赤で表示されるタイマー
Raywood Eureka ユリイカ タイマー スクールタイマー 勉強 マグネット 60分 時間管理 プレゼン (19cm) |
ゲームなどの残り時間が一目でわかります。
2、持ち物忘れ物チェックのキーホルダー
コモライフ 火の元・戸締りチェッカー 鍵 ガス元栓 消し忘れ 閉め忘れ 不安 物忘れ 施錠確認 敬老 ストーブ チェック |
3、リュックなどにいれる透明収納ポケット
何を入れるかを一目でわかるようにシール分けできるようになっています。
4、洋服のタグのちくちくを防止する布
知覚過敏の方に。アイロンで貼り付けられるようになっています。
などの商品が紹介されました。
NHK番組HPでは「トリセツ」の作り方やトリセツのひな型のダウンロードもできるようになっています。
※この記事の情報は2019年10月28日時点でのものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。
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