2018年にNHKで放送され、大きな反響を呼んだドラマ「透明なゆりかご」
出産の裏側にあるもう１つの現実。
死産、人工中絶、我が子の死に自分を責め続ける母親、子供の誕生を喜べない母親、出生前診断。
命が生まれる現場の光と影をリアルに描き出した沖田×華さんの原作漫画「透明なゆりかご」を実写化したドラマは女性たちを中心に大きな共感を呼びました。
その現場である産婦人科にカメラを入れ、密着したドキュメンタリーが2018年7月16日に放送された「ドキュメント透明なゆりかご」です。
NHK公式サイトより
消える命と生まれる命がたえず交差する場所、産婦人科。
「ドキュメント透明なゆりかご」では、ある都内の産婦人科で、命と向き合う女性たち、産婦人科の先生とのやりとりを映し出し、女性たちのさまざまな心模様、女性をとりまく環境を見つめていきます。
放送内容
東京・板橋 成増産院
年間800件以上の出産の他、婦人科のさまざまな検診、治療を引き受けている。
その現場でさまざまな心模様を見つめた。
院長の田村彰浩先生
産婦人科ひとすじ30年以上
その日、６人目となる妊婦さんが訪れていた。
このようなベテラン妊婦さんもいれば、不妊治療にやってくる人も少なくない。
消えていく命
診察室に訪れたある一人の外国人労働者の女性。
外国人労働者が増えている日本。
日本で出産をする外国人の妊婦さんも増えてきた
彼女は、出産後の仕事をどうするか心配していた。
しかし、超音波で胎児を確認したときだった
妊娠8週目、心臓が動いていなかった。
赤ちゃんの突然の死
お腹の中で静かに消えていく死に自分を責め続ける妊婦さんも少なくないという。
生と死が隣り合わせという残酷さ
それが「透明なゆりかご」では目を背けることなく描かれている。
一人待合室で待つ女性がいた。18歳のミキさん。
風俗店で働くダンサーをしながら夜は18歳のミキさんは、中絶の手術を受けに来た。
母子家庭で母に相談することもできないという。
16歳の妊婦
いつも朝いちばんでやってくる16歳の女の子がいる。
切迫早産と言われ治療を受けてきた。
相手は16歳の同級生、高校を中退した2人。
その後妊娠が分かった。
これから3人で幸せな家庭を築きたいと話す。
出生前診断
37歳の妊娠17週のカオリさん。
出生前診断で血液を採取したところ、結果は陽性だった。
より正確な診断のためには羊水検査が必要だ。
羊水検査では、子宮に長い針を刺し、羊水20㏄を採取する。
流産の危険性もある。結果によっては妊娠継続をあきらめこともあると言う。
出生前検査、羊水検査には賛否両論、様々な意見がある。
彼女は悩んだ末に羊水検査を受けた。
赤ちゃんに異常はなかった。それぞれの決断を見つめた。
視聴して
命をめぐりさまざまな葛藤を抱える女性たち。
このドキュメントを見て、生まれてくることが当たり前ではない奇跡であるということを改めて感じました。
一口に「出産」といっても年齢、家庭環境、これまでの事情、一人として同じ人はいません。
さらに妊娠を希望してもなかなかできない女性、希望していないのに妊娠した女性、そして、中絶を希望する女性。
女性が置かれている環境、選択は本当にさまざま、というしかありません。
これまでは出産＝よろこびと一様にされ、女性の気持ちが置いていかれている部分がありました。
透明なゆりかごはそんな女性のひとりひとりの気持ちを丁寧に映し出していきます。
ドラマ「透明なゆりかご」は本当にすばらしい傑作ドラマでしたが、ドキュメント透明なゆりかごも本当にさまざまな女性たちを真正面から映し出し、考えさせられるすばらしいドキュメンタリーでした。
命について、出産について、考えたいというすべての人におすすめです。
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※ドラマ「透明なゆりかご」は2020年7月28日まで配信予定
※「ドキュメント透明なゆりかご」は2020年7月12日まで配信が予定されています。
※この記事の情報は2019年8月1日時点でのものです。最新の配信状況はU-NEXT公式サイトでご確認ください。